昔も今もあこがれの土地、老若男女が群れ集うおかげ参りの土地といえば伊勢志摩です。
国内の神社の頂点、皇室の御先祖である天照大神をお祀りする伊勢神宮を中心に、リアス海岸と温暖な伊勢平野が生み出す海と山の豊かな品々が多くの観光客を呼び、まさしく「御食つ国」の名にふさわしい場所です。
平成25年の神宮式年遷宮に始まり、平成28年には賢島で伊勢志摩サミットが行われ、ますます世界から注目されることとなり、現在も大勢の観光客でにぎわいを見せています。
そんな伊勢志摩から、有名どころを始めまだまだ知られていない逸品まで、選りすぐりのお土産を10点ご紹介いたします。旅の記念に、帰ってからの話題作りに、かならず喜ばれるお土産をここで見つけてくださいね。
伊勢志摩に行ったら是非買いたいおすすめのお土産
赤福:伊勢だよりにも注目
キングオブお土産、国内のお土産の絶対的一位といってまず間違いはないでしょう。
知名度といい伝統と言い、地元の人も認めるお土産の別格です。
伊勢地方は古来「餅街道」と言われるほど、餅菓子がたくさん食べられてきた地域でした。それはお伊勢参りの多くの旅人をもてなすため、腹持ちがよく、元気の出る甘い餅菓子が作られてきた伝統によるものです。
なかでも赤福はその上品な甘さ、姿の美しさで一番有名なひとつです。便利なプラスチックのケースではなく、今も古風な折箱に詰めて売られています。
口に入れると舌触りの滑らかな餡子の中から柔らかな餅があらわれます。これこそ伊勢土産の味わい、どなたにも好まれる強度の味です。
折箱に添えられた「伊勢だより」にもご注目ください。一年365日、毎日ちがう絵と文が添えられた小さなしおりで、これも立派な伊勢土産です。
鳥羽で代表的な洋菓子シェル・レーヌ
鳥羽で代表的な洋菓子と言えば、ブランカのシェル・レーヌです。
真珠を生み出すアコヤ貝の形をした愛らしい焼き菓子で、三重県産の鶏卵と小麦粉を使用しています。
プレーンには地元ならでは、真珠から取ったパールカルシウムを添加しているので、話題作りにも役立ちますね。
日持ちがするのも焼き菓子ならではで、お土産に嬉しいところです。
食べると豊かなバターの風味が口いっぱいに広がります。コーヒーにも紅茶にも、日本茶にも合う味で贈り物にも良いでしょう。
伊勢志摩ならではのあおさ味、伊勢茶味もあり、バレンタインの季節には限定のチョコレート味も販売されます。お土産で気に行ったらオンラインショップも充実しているのでいつでも帰るのもいいですね。
伊勢木綿の小物
三重県では松阪木綿がダントツで有名ですが、伊勢木綿というものもあります。現在では臼井織布株式会社さんという1社のみしか作っておらず、貴重なものです。
外宮参道に「衣」というショップがあり、そこで伊勢木綿のさまざまな小物を買うことができます。基本的に藍の濃淡だけで作る松阪木綿と違い、伊勢木綿はとてもカラフルです。
これが木綿?と思うほど、明るくて優しい色合いが特徴です。さらに生地がやわらかく、使ううちにどんどんなじむのが良いところです。
衣さんでは伊勢木綿の切り売りもしていますので、ハンドメイドが趣味の人ならとびきりのお土産になることは間違いありません。お店も参道沿いの入りやすい場所にあるので、ふらっと立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
さめのたれ:伊勢志摩では昔からポピュラーなおかず
「さめのたれ」と聞いても、なんのことか分からないかもしれません。
伊勢志摩地方では古くから鮫を食べる習慣があり、たれ、とは鮫の干物のことです。
鮫の切り身を干すときに垂らして干したからとも言われていますが、伊勢志摩では昔からポピュラーなおかずでした。
干物と言ってもカチカチに干したのではなく、柔らかさの残る生干しです。鮫の肉ですが臭みは全くありません。分厚く切った塩味と、薄切りのみりん味があり、地元でも塩派、みりん派と好みが分かれているようです。
料理はカンタン、ひと口大に切って軽く焙ってください。塩味は好みによって七味を振ったりマヨネーズを付ける人もいます。ご飯のおかずによし、ビールのお供によし、地元ではお弁当のおかずにもよく食べられています。
真珠:世界で初めて真珠を養殖
世界で初めて真珠を養殖したのは、鳥羽の御木本幸吉でした。今も近鉄とJRの鳥羽駅前には御木本幸吉の銅像が立っています。
伊勢志摩のお土産で真珠をおすすめしたいのは、やはり養殖と加工をしている場所だけあって品ぞろえの豊富さと手軽さです。
真珠を買えるお店もたくさんありますが、一番はその名も「ミキモト真珠島」でしょう。ここは鳥羽駅の目の前にある小さな島で、真珠の養殖の歴史が勉強できる博物館もあります。
観光地としても人気で、海女さんが真珠貝を取るパフォーマンスは毎日行われています。
手軽な所では小さなストラップから、何百万円もするネックレスまで、選び放題なのもうれしいところです。本場の店で、専門のスタッフから説明を受けて買えるのは伊勢志摩ならではです。
伊勢志摩のあおさ:三重県が全国の7割の生産量を誇る
伊勢志摩を含む三重県が全国の7割の生産量を誇る海藻があおさです。
名前の通り青く、柔らかさが特徴の海藻で、地元の海岸でさかんに養殖されています。
加工品としてはつくだ煮がメインですが、ぜひ味噌汁で味わってください。ふんわりと香る磯の香りがすばらしく、どんな種類の味噌とも合います。料理するにも面倒な水戻しや下茹でが必要ないので手軽に使えます。
収穫期は一番寒くなる1月から3月ごろですが、乾物なので1年中手に入ります。日持ちが良く、とても軽いのもいいですね。最近はあおさ入りのスイーツもたくさん出てきました。
ちなみに志摩市にはあおさのゆるキャラ、あおサーがいます。あおさにこの地方の方言、語尾の「サー」がついた、緑のかわいいキャラクターです。
もちもちじゅごん(鳥羽水族館)
三重県のみならず国内でもトップクラスの飼育数を誇るのが、鳥羽水族館です。
もちろん歩いて回るのも楽しいのですが、ショップでの買い物もおすすめです。
たくさんあるお土産の中から一番といえるのは、ジュゴンのぬいぐるみ「もちもちじゅごん」です。
日本で唯一、鳥羽水族館だけで飼育されているジュゴンのぬいぐるみで、抱きしめると肌触りがすべすべしていて、やわらかくて癒されます。大きさもちょうど抱きしめるのにいいサイズで、子どもさんも喜ぶでしょう。
今飼育されているジュゴンのセレナはなんと30年も生きているそうです。水族館の人魚の海コーナーでたっぷりとセレナを眺めてから、もちもちのぬいぐるみをゲットしましょう。ちなみに同じくジュゴンの形のティッシュカバーもあります。
田舎あられ:伊勢志摩ではあられをお茶漬けにする
伊勢志摩ではあられをお茶漬けにすると、最近テレビでよくみかけます。
これは実は地元では当たり前のことで、「よそではやっていなかったのか」と逆に驚いた人もいるくらいです。
お茶漬けにするあられはなんでもいいというのではなく、地元のおすすめは三国屋の「田舎あられ」です。あられ自体はとても薄味で、お茶漬けのためにあるあられといってもいいほどです。
食べ方はとても簡単、お茶碗かどんぶりにあられをいれて、お茶を注ぎます。好みで塩か砂糖で味付けをして食べるだけ、とてもシンプルです。
お茶をかけたすぐのパリパリとした食感を味わうか、お茶が染みて柔らかくなったところを食べるか、どちらも楽しめます。地元のスーパーではこの田舎あられが山積みで売っていますので、ぜひ買ってみて下さい。
うなぎのぬいぐるみ(鳥羽市の海の博物館)
ちょっとひねったお土産をさがすなら、鳥羽市の海の博物館をおすすめします。
ここにはオリジナルのお土産品がたくさんありますが、なかでも「うなぎのぬいぐるみ」はユニークさで一番でしょう。
文字通りうなぎのぬいぐるみで、にょろにょろとした長いからだにまるいおめめが可愛らしいです。お土産のぬいぐるみはたくさんあっても、うなぎというのは珍しいのではないでしょうか。
伊勢志摩地方はかつて養鰻がさかんで、今もたくさんのウナギ料理店があります。
このぬいぐるみが楽しいのは、「うなぎかご」が別売りであることです。ぜひセットで買い求めてください。かごから顔を出したとぼけた表情のうなぎはかわいらしさ抜群、インスタ映えも狙えます。しかも海の博物館オリジナルなので、ここでしか買えません。
伊勢うどん:伊勢志摩の元祖ファストフード
江戸時代から旅人のお腹を満たしてきた、伊勢志摩の元祖ファストフードといえば伊勢うどんです。
太くて柔らかい麺と、まっくろなつゆが特徴で、今では食べられる店も多くなりました。
お店で食べるのもいいですが、現在はこの味を手軽に持ち帰れるお土産も手に入ります。調理もとてもかんたん、麺をゆでてつゆをかけるだけの手軽さです。
真っ黒くて驚かれることも多いつゆですが、地元では「たれ」と呼びます。醤油ではなくたまりを使い、しっかりとした出汁のあじと甘味が特徴です。伊勢ではうどんといえばこの伊勢うどんのことでした。麺とたれ、薬味のネギと七味だけのものが基本で、さまざまな具を乗せるようになったのは最近のことです。
旅人の疲れた胃をいたわるために麺をやわらかに茹でたとも言われてます。伊勢市民のソウルフードをぜひ自宅で味わってください。